執筆者
いんざい腎泌尿器科クリニック
院長 鵜木 勉
専門資格
- 医学博士
- 日本泌尿器科学会 泌尿器科専門医
- 日本泌尿器科学会 泌尿器科指導医
など
急性精巣上体炎は、精巣上体に細菌が感染し、炎症を引き起こす病気です。主に成人男性に発症し、陰嚢の痛みや腫れ、発熱などの症状が現れます。適切な治療を受けることで多くの場合は改善しますが、放置すると重篤な合併症を引き起こす可能性があるため、早期の対応が重要です。
急性精巣上体炎の主な原因は、尿道から侵入した細菌が精巣上体に到達し、感染を引き起こすことです。最も一般的な原因菌は大腸菌で、その他にもクラミジアや淋菌などの性感染症が関与することがあります。
急性精巣上体炎の主な症状は以下の通りです
| 陰嚢の痛みと腫れ | 通常は片側に発症し、触れると強い痛みを感じます。 |
|---|---|
| 発熱 | 38℃以上の高熱が出ることがあります。 |
| 排尿時の痛みや頻尿 | 尿道炎を伴う場合に見られます。 |
| 全身の倦怠感 | 体がだるく感じることがあります。 |
これらの症状が現れた場合は、速やかに医療機関を受診することが重要です。
急性精巣上体炎の診断には、以下の検査が行われます
| 触診 | 精巣上体の腫れや熱感や圧痛を確認します。 |
|---|---|
| 尿検査 | 尿中の白血球や細菌の有無を確認します。 |
| 尿培養検査 | 原因菌を特定し、適切な抗菌薬を選定します。 |
| 超音波検査 | 精巣や精巣上体の腫れや血流の状態を確認します。 |
| 血液検査 | 炎症の程度や全身状態を評価します。 |
これらの検査結果を総合的に判断し、急性精巣上体炎の診断が確定されます。
急性精巣上体炎の治療には、主に抗菌薬が使用されます。軽症の場合は、経口抗菌薬を2〜4週間服用します。重症の場合や合併症がある場合は、入院して点滴による抗菌薬治療が行われます。治療中は、十分な水分補給と安静が推奨されます。
また、痛みや腫れを軽減するために、陰嚢を冷やしたり、痛み止めの使用も検討されます。
急性精巣上体炎を予防するためには、以下の点に注意しましょう
| 性感染症の予防 | コンドームの使用や不特定多数との性交渉を避けることが重要です。 |
|---|---|
| 尿路感染症の予防 | 水分を十分に摂取し、排尿を我慢しないようにしましょう。 |
| 免疫力の維持 | バランスの取れた食事や十分な睡眠を心がけ、ストレスを溜めないようにしましょう。 |
急性精巣上体炎は、早期の診断と適切な治療により完治が可能な病気です。症状が現れた場合は、自己判断せずに医療機関を受診し、専門医の指示に従って治療を受けましょう。日常生活での予防策を実践することで、再発のリスクを減らすことができます。