男性の皆さん、年齢を重ねるにつれて「おしっこのキレが悪くなったな」「夜中に何度もトイレに起きるようになったな」と感じることはありませんか?これらは、男性特有の臓器である「前立腺(ぜんりつせん)」に関わるお悩みかもしれません。
前立腺って何?
前立腺は、男性だけが持っている、クルミくらいの大きさの臓器です。膀胱のすぐ下にあり、尿道を取り囲むように位置しています。前立腺の主な役割は、精液の一部を作ることで、精子を保護したり、活動を助けたりする大切な働きをしています。
年齢とともに増える症状

男性は、年齢を重ねるとともに、この前立腺が少しずつ大きくなることがあります。これを前立腺肥大症と言います。前立腺が大きくなると、尿道が圧迫されてしまい、おしっこが出にくくなったり、様々な排尿の症状が出てきます。
前立腺肥大症でよく見られる症状は、次のようなものがあります。
• 尿の勢いが弱い : おしっこの勢いがなくなり、チョロチョロとしか出ない。
• 排尿に時間がかかる : おしっこを出すのに時間がかかるようになる。
• 尿のキレが悪い : おしっこが終わった後も、ポタポタと垂れてしまう。
• 残尿感 : おしっこをした後も、まだ膀胱に尿が残っている感じがする。
• 頻尿・夜間頻尿 : トイレに行く回数が増え、特に夜中に何度もトイレに起きる。
• 尿意切迫感 : 急に強い尿意を感じて、我慢するのが難しい。
これらの症状は、日常生活に大きな影響を与え、睡眠不足になったり、外出をためらったりすることもあります。前立腺肥大症は、良性の病気で、がんではありませんが、放置すると膀胱や腎臓に負担がかかり、他の病気を引き起こす可能性もあります。
また、男性のお悩みとしてED(勃起障害)も泌尿器科で相談できる症状の一つです。EDは、性的な興奮があっても、十分な勃起が得られなかったり、維持できなかったりする状態を指します。EDの原因は、ストレスや生活習慣病(糖尿病、高血圧など)、加齢、ホルモンバランスの乱れなど様々です。EDは、男性の自信やQOL(生活の質)に大きく関わる問題ですが、適切な治療で改善が期待できます。
相談することの大切さ
前立腺肥大症やEDなど、男性特有のお悩みは、デリケートな問題なので、なかなか人に相談しにくいと感じるかもしれません。しかし、これらの症状は、決して珍しいことではありませんし、多くの男性が経験するものです。一人で抱え込まずに、ぜひ泌尿器科にご相談ください。
泌尿器科では、問診や簡単な検査(尿検査、血液検査、超音波検査など)で、症状の原因を詳しく調べることができます。前立腺肥大症であれば、お薬で症状を和らげたり、場合によっては手術を検討したりすることもあります。EDについても、お薬や生活習慣の改善など、様々な治療法があります。
「年のせいだから…」と諦めてしまう前に、専門医に相談することで、つらい症状が改善し、より快適な毎日を送ることができるかもしれません。あなたの健康と快適な生活のために、私たちがお手伝いさせていただきます。