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男性も注意!前立腺炎のサインと泌尿器科での治療法

2025.07.10
男性も注意!前立腺炎のサインと泌尿器科での治療法

今回は、男性に多い泌尿器のトラブル「前立腺炎」についてお話しします。

「トイレが近い」「排尿時に痛みがある」「なんだか会陰部(股のあたり)がムズムズする…」
そんな症状を感じていませんか?

これらの症状、実は「前立腺炎」の可能性があります。
前立腺炎は若年層から中高年男性まで幅広く見られ、急性型と慢性型で症状も対応も異なります。

「歳のせいかな」「ちょっと疲れているだけかも」と放置せず、早めに泌尿器科を受診することが回復への近道です。

この記事では、前立腺炎の種類や原因、症状、治療法について、わかりやすく解説します。

前立腺ってなに?どんな働きがある?

まずは前立腺について簡単に説明しましょう。

前立腺は男性にだけある臓器で、膀胱のすぐ下、尿道を取り囲むように存在しています。
くるみくらいの大きさで、精液の一部である前立腺液を分泌し、精子を保護・活性化する重要な役割を持っています。

そんな前立腺が炎症を起こした状態を「前立腺炎」といいます。

前立腺炎には2つのタイプがある

① 急性前立腺炎(感染性)

主に細菌が前立腺に侵入して急激に炎症を起こすものです。
若い男性から中高年まで発症しますが、特に40〜50代に多い傾向があります。

主な症状:

• 発熱(38〜39℃以上になることも)
• 排尿時の強い痛み
• 頻尿・残尿感
• 会陰部や肛門周囲の鈍い痛み
• 尿が出にくい、出なくなる(尿閉)
• 倦怠感、悪寒、吐き気

※症状が強く、時には入院が必要になるケースもあります。

② 慢性前立腺炎(非細菌性が多い)

3か月以上症状が続く前立腺炎です。
検査でははっきりとした細菌が見つからないことが多く、原因が複合的なことも。

主な症状:

• 会陰部・陰のう・肛門奥の不快感
• 排尿後のスッキリしない感じ
• 尿がたびたび近くなる
• 性交時の違和感や射精時の痛み
• 不安感、集中力の低下
• 陰部付近の全体的な重い感じ、身の置きどころのない感じ

ストレスや生活習慣、冷えなども関係しているとされ、30代〜50代の男性に多くみられます

原因は?どうやって感染するの?

急性前立腺炎の多くは、膀胱や尿道から細菌が逆流して前立腺に感染することで起こります。

主な原因:

• 排尿を我慢する習慣
• 長時間座りっぱなし(デスクワーク、運転)
• 性行為後の衛生管理が不十分
• 前立腺マッサージやカテーテル操作後
• 肛門や会陰部の不潔な状態

また、慢性前立腺炎ははっきりした細菌感染が認められないことも多く、以下のような要因が重なると起こりやすいです。

• ストレスや自律神経の乱れ
• 睡眠不足、疲労の蓄積
• 骨盤周囲の血流不良
• 排尿のトラブル(切迫感、残尿など)

泌尿器科での診断と検査

前立腺炎が疑われる場合、泌尿器科では以下のような検査を行います。

問診と診察

• いつからどんな症状があるか
• 排尿状況、性行為の有無など

尿検査・尿培養

• 尿の中に白血球や細菌がいるかを調べます。

血液検査

• 炎症や感染の有無(白血球数、CRPなど)をチェックします。

超音波検査

• 前立腺の腫れや内部の状態を確認することがあります。

前立腺炎の治療法

急性前立腺炎の治療

• 抗菌薬の内服・点滴(原因菌に応じて選択)
• 解熱鎮痛剤や排尿補助薬の併用
• 安静と水分補給

症状が強い場合や尿が出ない場合は入院治療が必要になることもあります。

※抗菌薬の服用は最低でも2週間程度続けるのが一般的です。
自己判断で途中でやめると再発・悪化の原因になります。

慢性前立腺炎の治療

• 長期的な抗菌薬の投与(数週間〜数か月)
• 生薬(セルニルトン)や漢方等
• 自律神経の調整薬や鎮痛薬
• 骨盤底筋のリラクゼーション
• 温熱療法やマッサージ指導
• 生活習慣・ストレス改善指導

原因が多岐にわたるため、治療は長期戦になることがあります。
一人で悩まず、医師と二人三脚で取り組むことが重要です。

日常でできる予防とセルフケア

前立腺炎を予防・再発防止するために、以下のような工夫が役立ちます。

• 水分をしっかりとる(1日1.5L以上)
• 排尿は我慢しない
• 会陰部を冷やさない(特に冬場や長時間座るとき)
• 入浴で下半身を温める
• 過度なアルコールや辛い食事を控える
• 規則正しい生活、ストレスの軽減

慢性前立腺炎は生活習慣と密接に関係しています。
焦らず、日々の積み重ねが改善につながります。

こんな症状があれば、早めに泌尿器科へ!

• 排尿時に強い痛みがある
• 熱が出て、股のあたりがズキズキする
• 排尿後にスッキリしない
• 会陰部に慢性的な違和感がある
• 性行為に影響が出ている(痛み、性欲の低下など)

いずれも前立腺炎のサインかもしれません。
恥ずかしがらず、泌尿器科へ相談しましょう。

*当院は印西市初の腎泌尿器科専門クリニックです。

おわりに

おわりに

前立腺炎は、男性にとって非常に身近でありながら、見逃されやすい泌尿器のトラブルです。
「誰にも相談できない」「歳のせいで仕方がない」と諦める必要はありません。

当院では、医学的な根拠に基づいて正確に診断し、症状や生活に合わせた治療を提案します。
とくに慢性的な不快感に悩まされている方は、改善の糸口を一緒に見つけていきましょう。

どうぞお気軽に、ご相談ください。

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