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市販薬で治る?膀胱炎のセルフケアと受診の見極めポイント

2025.08.14
市販薬で治る?膀胱炎のセルフケアと受診の見極めポイント

今回は、多くの女性が一度は経験すると言われる「膀胱炎」について、市販薬で対処すべきか、医療機関を受診すべきかの判断ポイントを中心にお話しします。

「排尿のときに痛みがあるけど、病院に行くほどじゃないかも…」
「忙しくて受診できないし、とりあえず市販薬で様子を見ようかな」
そんなふうに思ったことはありませんか?

軽い膀胱炎であれば、生活習慣の改善やセルフケアで治まることもありますが、自己判断で市販薬を使い続けると、悪化したり再発しやすくなったりすることもあるのです。

この記事では、膀胱炎に気づいたときに知っておきたい知識や、自宅でできる対策、そして泌尿器科を受診すべきサインについて、わかりやすくご紹介します。

膀胱炎とは?

膀胱炎は、膀胱の中に細菌(主に大腸菌)が入り込み、炎症を起こす感染症です。
多くは女性に起こり、特に20代〜40代の働き盛り世代や、更年期以降の方に多く見られます。

主な症状は?

以下のような症状がある場合、膀胱炎の可能性があります。

• 排尿時に痛みがある(しみる、チクッとする)
• トイレが近い(頻尿)
• 残尿感(出し切れていない感じ)
• 尿のにごりや臭い
• 下腹部の重苦しさ、不快感
• 時に血尿(鮮やかな赤〜ピンク色)

これらの症状があると、日常生活にも支障をきたすことが多く、早めの対応が重要です。

市販薬って効果あるの?

ドラッグストアで購入できる膀胱炎向けの市販薬には、以下のようなものがあります。

市販薬の主な成分と作用
成分名 作用内容
メチルメチオニンスルホニウム塩化物(MMSC) 炎症の軽減、膀胱粘膜の保護
チョウトウコウ、カミツレなどの生薬 抗炎症・鎮痛作用
抗菌成分(漢方含む) ごく軽度の感染に対応する可能性
市販薬のメリット

• 忙しいときにすぐ使える
• 軽い症状には一時的に有効なことも
• 初期の不快感を緩和できる

ただし…

• 細菌を完全に排除する力は弱い
• 根本治療にはならない
• 症状が改善しても、再発のリスクが高い
• 体に合わない場合や、副作用のリスクも

つまり、「あくまで一時しのぎ」として使うことはできますが、確実に治したい場合や再発予防を考えるなら、やはり泌尿器科での診断と治療が安全です

自宅でできる膀胱炎セルフケア

軽度の膀胱炎や「膀胱炎になりそうかも?」という違和感があるとき、次のようなセルフケアも有効です。

1. 水分をしっかりとる

→ 1日1.5〜2リットルを目安に。尿量を増やし、菌を押し流す。

2. 排尿を我慢しない

→ 尿を長く膀胱にためると、細菌が繁殖しやすくなります。

3. 下腹部を温める

→ 冷えは膀胱の血流を悪くし、免疫力を下げる原因に。

4. 下着・トイレの衛生に気をつける

→ 通気性の良い下着を選び、トイレットペーパーの拭き方は「前から後ろへ」が基本。

5. ストレスと疲れをためない

→ 自律神経のバランスが崩れると、感染しやすくなります。

受診した方がよい症状とは?

以下のような症状がある場合はすぐに泌尿器科へ。

早めの受診が必要なケース

• 発熱(特に38℃以上)
• 腰や背中の痛み
• 吐き気、食欲不振
• 排尿時の痛みが強い・悪化している
• 血尿が続いている
• 数日経っても症状が改善しない
• 何度も膀胱炎を繰り返している
• 妊娠中、糖尿病、高齢などリスクの高い方

これらの症状は、膀胱炎をこえて腎臓に感染が広がっている可能性(腎盂腎炎)もあるため、自己判断は禁物です。

泌尿器科での治療のメリット

尿検査で正確な診断が可能
抗生物質の適切な処方で速やかに症状を改善
• 必要に応じて原因菌の特定と再発予防
• 膀胱炎以外の疾患(結石、腫瘍、性病など)との鑑別も可能

市販薬とは違い、再発防止を含めた総合的なケアが受けられます。

「病院に行くほどじゃない」は危険のもと

忙しさや恥ずかしさから、「そのうち治るだろう」と様子を見てしまう方も多いですが、膀胱炎は放っておくと命にかかわるケースもあります。

特に次のような方は要注意

• 妊娠中の方 → 早産・胎児への影響が出ることも
• 高齢者 → 症状がわかりづらく、腎機能低下や敗血症へ
• 小児 → 腎機能の発達に影響する恐れ

“たかが膀胱炎”ではなく、“されど膀胱炎”。

一度でも膀胱炎を経験した方は、泌尿器科でしっかり相談しておくと安心です。

おわりに

おわりに

膀胱炎は、多くの方が経験する身近な病気ですが、正しく対応しないと繰り返す原因にもなります。
市販薬やセルフケアで一時的に症状が落ち着いても、それで「治った」と思い込まず、症状の変化や持続に注意を払いましょう。

「市販薬で様子を見てみたけど、少し不安…」
そんなときは、どうぞ遠慮なく泌尿器科を受診してください。
一人ひとりに合った治療やアドバイスで、再発しにくい身体づくりを一緒に考えていきましょう。

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