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性感染症と不妊の関係—将来のために今知っておくこと

2025.11.20
性感染症と不妊の関係—将来のために今知っておくこと

今回は、性感染症と不妊症との関係について、将来を見据えて今から知っておきたい大切な情報をお届けします。

性感染症というと「性行為でうつる」「すぐに治せる病気」といったイメージが強いかもしれません。しかし実は、気づかないまま放置すると、生殖機能にダメージを与え、不妊につながることがあるのです。

「将来、子どもがほしい」と思っている方にこそ、ぜひ知っていただきたい内容です。

そもそも不妊症とは?

「不妊症」とは、妊娠を望んで1年以上、避妊をせずに性行為を行っても妊娠しない状態のことを指します。

原因は男女両方にあります:

• 男性:精子の数が少ない、運動性が低い、通り道が詰まっているなど
• 女性:排卵障害、卵管の詰まり、子宮内膜症など

この中で、性感染症は特に卵管や精管などの“通り道”にダメージを与えることが多く、気づかないうちに不妊の原因になってしまうのです。

代表的な性感染症と不妊リスク

クラミジア感染症

• 日本で最も多い性感染症。若い世代に多い
• 初期は無症状が多く、感染に気づかないまま進行する
• 女性:卵管炎→卵管閉塞→卵管性不妊の原因に
• 男性:副睾丸炎(精巣上体炎)→精管が詰まり精子の通過障害

淋菌感染症

• クラミジアと同様に尿道・子宮頸部に感染
• 急性炎症が強く、女性では骨盤内炎症性疾患(PID)を引き起こすことがある
• PIDは子宮、卵管、卵巣に炎症を起こし、癒着や閉塞につながる

マイコプラズマ・ウレアプラズマ

• あまり知られていませんが、これらの菌も泌尿生殖器に感染し、不妊の原因になることが近年の研究でわかってきています

性器ヘルペス・HIVなど

• 直接的な不妊原因ではないが、性行為時の感染を避ける必要がある
• 妊娠・出産時に母子感染のリスクがあるため、計画的な管理が必要

なぜ「無症状」が怖いのか?

性感染症による不妊の問題は、自覚症状が乏しいまま進行するという点にあります。

• 女性:クラミジアや淋菌に感染しても、おりものの変化や下腹部痛など軽微な症状だけ
• 男性:排尿時の違和感や軽いかゆみだけで終わることも

その結果、知らないうちに炎症が広がり、卵管や精管の組織に癒着や瘢痕(はんこん)を残してしまうことがあります。

一度傷ついた組織は、治療しても元に戻すことが難しく、将来的に「不妊治療を始めて初めてわかった」ということも少なくありません。

性感染症の検査と早期発見の重要性

将来の妊娠を希望する方や、現在パートナーがいる方には、定期的な性感染症検査をおすすめしています。

泌尿器科で可能な検査:

• 尿検査(クラミジア・淋菌)
• 採血(梅毒・HIV・肝炎など)

ブライダルチェックとして、性感染症の確認は重要なステップです。
当院ではブライダルチェックとして下記をセットで検査可能です。(自由診療)

早期治療すれば将来への影響は最小限

性感染症は、早く見つけて適切な抗菌薬で治療すれば後遺症を残さず治癒できるものが多いです。

そして何より、パートナーも一緒に検査・治療を受けることが再感染を防ぐうえで非常に大切です。

将来のために、今できること

• コンドームを正しく使用する(100%ではないが、感染予防効果あり)
• 性的パートナーが変わったときは検査を受ける
• 妊娠を希望する前にブライダルチェックを受ける
• 泌尿器科・婦人科と連携して、定期的に体を見直す

性感染症による不妊は、知らなければ防げないリスクです。
「今の自分には関係ない」と思わずに、未来のために、今できることに取り組みましょう。

泌尿器科で安心してご相談を

泌尿器科で安心してご相談を

当院では、性感染症に関する相談から検査・治療まで一貫して行っております。

「ちょっと気になる」「今は症状がないけど検査してみたい」
そんな小さなきっかけでも大丈夫です。お気軽にご相談ください。

求人応募(お問い合わせ)080-2930-7414080-2930-7414