コラム

  • TOP>
  • コラム>
  • 過活動膀胱(OAB)とは? 頻尿や尿意切・・・
  • TOP>
  • コラム>
  • 過活動膀胱(OAB)とは? 頻尿や尿意切・・・

過活動膀胱(OAB)とは? 頻尿や尿意切迫感にお悩みの方へ

2026.01.15

はじめに

はじめに

「トイレが近い」「急に尿意を感じて我慢できない」「夜中に何度も起きてしまう」——これらの症状は、過活動膀胱(Overactive Bladder:OAB)と呼ばれる状態かもしれません。日本排尿機能学会が発行した『過活動膀胱診療ガイドライン 第3版』(2022年)によれば、過活動膀胱は日本国内で高齢者を中心に多くの方が悩んでいる疾患です。

この記事では、過活動膀胱の症状、原因、診断、治療法、そして日常生活での対処法について、わかりやすくご説明いたします。

過活動膀胱の症状

過活動膀胱の主な症状は以下の通りです:

頻尿:日中に8回以上排尿する。
尿意切迫感:急に強い尿意を感じ、我慢が難しい。
切迫性尿失禁:尿意切迫感に伴い、尿を漏らしてしまう。
夜間頻尿:夜間に1回以上排尿のために起きる。

これらの症状は、日常生活の質(QOL)を大きく低下させる可能性があります。

原因とリスク要因

過活動膀胱の原因は明確には解明されていませんが、以下のような要因が関与していると考えられています:

加齢:年齢とともに膀胱の機能が変化する。
神経系の異常:脳や脊髄の疾患が影響する場合がある。
前立腺肥大症:男性において、前立腺の肥大が排尿に影響を与える。
膀胱炎や尿路感染症:炎症が膀胱の過敏性を高める。

また、ストレスや生活習慣の乱れも症状を悪化させる要因となります。

診断方法

過活動膀胱の診断は、以下のような方法で行われます:

1. 問診:症状の詳細や生活習慣についてお伺いします。
2. 排尿日誌:数日間の排尿回数や量、尿意の強さなどを記録します。
3. 尿検査:尿路感染症や血尿の有無を確認します。
4. 超音波検査:膀胱や前立腺の状態を評価します。
5. 残尿測定:超音波を用いて排尿後の膀胱に残った尿量を測定し評価します

これらの検査を通じて、他の疾患との鑑別や症状の程度を把握し、適切な治療方針を決定します。

治療法

過活動膀胱の治療は、症状の程度や患者さまの生活状況に応じて選択されます。

1. 行動療法

生活習慣の改善や膀胱訓練など、非薬物療法が基本となります。

膀胱訓練:排尿間隔を徐々に延ばすことで、膀胱の容量を増やします。
骨盤底筋訓練:骨盤底の筋肉を鍛えることで、尿意のコントロールを改善します。
生活習慣の見直し:カフェインやアルコールの摂取を控え、規則正しい生活を心がけます。

2. 薬物療法

行動療法で効果が不十分な場合、薬物療法が検討されます。

抗コリン薬:膀胱の収縮を抑えることで、尿意切迫感や頻尿を改善します。
β3受容体作動薬:膀胱の弛緩を促進し、蓄尿能力を高めます。

3. その他の治療法

難治性の過活動膀胱に対しては、以下のような治療法が検討されることもあります

磁気刺激療法:骨盤底領域の神経を刺激し、膀胱の過活動を抑制し頻尿を改善します。
ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法:膀胱の過剰な収縮を抑えるために、ボツリヌス毒素を膀胱壁に注入します。
仙骨神経刺激療法:仙骨神経に電気刺激を与えることで、膀胱の機能を調整します。

日常生活での対処法

過活動膀胱の症状を軽減するために、以下のような工夫が有効です:

水分摂取の調整:日中に適度な水分を摂り、就寝前の過剰な摂取を避けます。
トイレの計画的な利用:外出時にはトイレの場所を事前に確認し、安心感を持つことが重要です。
ストレスの軽減:リラックスする時間を設け、ストレスを溜め込まないように心がけます。

また、症状が気になる場合は、早めに泌尿器科を受診し、専門的なアドバイスを受けることをおすすめします。

まとめ

まとめ

過活動膀胱は、生活の質を大きく左右する疾患ですが、適切な診断と治療、そして日常生活での工夫によって、症状の改善が期待できます。一人で悩まず、ぜひ専門医にご相談ください。

参照 『過活動膀胱診療ガイドライン 第3版』(2022年)

院長 鵜木 勉

執筆者

いんざい腎泌尿器科クリニック
院長 鵜木 勉

専門資格

  • 医学博士
  • 日本泌尿器科学会 泌尿器科専門医
  • 日本泌尿器科学会 泌尿器科指導医

など

AppointmentWeb予約する

Tel080-2930-7414