「くしゃみをしたときに、つい漏れてしまう…」「重い荷物を持ち上げると、下着が濡れている…」
そんなお悩みを抱えていませんか?
それは、腹圧性尿失禁という、女性に多く見られる排尿トラブルの可能性があります。
決して珍しい症状ではありませんが、「年のせい」「出産後だから仕方ない」とあきらめてしまう方が多いのも事実です。
今回は、腹圧性尿失禁の原因、対策、そして泌尿器科でできる治療法まで、わかりやすくご紹介します。
腹圧性尿失禁ってなに?
腹圧性尿失禁とは、お腹に力が入ったときに、本人の意思とは関係なく尿が漏れてしまう状態をいいます。
たとえば…
• くしゃみ、咳、笑ったとき
• 重い荷物を持ち上げたとき
• 階段を降りたり、走ったとき
• ジャンプなどの運動中
こうした動作で、突然「チョロッ」と漏れてしまうのが特徴です。
これは、膀胱にかかる“腹圧”が尿道の締める力を上回ってしまうために起こります。
どうして起こるの?主な原因
腹圧性尿失禁の多くは、骨盤底筋のゆるみや、尿道の支持組織の弱まりが原因です。
主な原因には以下のようなものがあります:
出産経験(特に自然分娩)
→ 骨盤底にある筋肉や靭帯が伸びたり傷ついたりします
加齢
→ 骨盤底筋の筋力が低下し、尿道が締まりにくくなります
肥満
→ 腹部の内圧が高まり、膀胱への圧力が増加します
閉経後のホルモン変化
→ エストロゲンの低下により、尿道や膣の粘膜が弱くなります
長年の便秘や咳(慢性肺疾患など)
→ 継続的に腹圧がかかり、尿道がゆるみやすくなります
腹圧性尿失禁は、40代以降の女性に多く見られる症状ですが、若い女性にも起こることがあります。
恥ずかしくない、よくある症状です
「人に言えない」「相談できない」と感じる方が非常に多いですが、腹圧性尿失禁は女性の3人に1人が経験する非常に一般的な症状です。
また、放置すると以下のような悪影響が出てくることもあります:
• 外出が不安になる(旅行や買い物)
• 趣味や運動を控えるようになる
• 心配やストレスで睡眠の質が低下
• においや衛生面が気になる
つまり、日常生活の質(QOL)に大きな影響を与える症状なのです。
自分でできる対策とセルフケア
腹圧性尿失禁は、軽度であればセルフケアで改善することも可能です。
泌尿器科でもまずは以下のような生活指導から始めます。
骨盤底筋トレーニング(いわゆる「膣トレ」)
• 尿を途中で止めるような動作を意識して行う
• 1回につき5〜10秒締めて、ゆっくり緩める
• 1セット10回、1日3セットを目安に
→ 2〜3か月継続すると、改善が見られることが多いです。
飲み物・食べ物の見直し
• カフェインやアルコールは膀胱を刺激して症状が悪化しやすい
• 水分を控えすぎると膀胱が過敏になるため、適度な水分補給を心がけましょう
体重管理
• 肥満は骨盤底筋への圧力を高めるため、減量が改善につながることもあります
泌尿器科でできる治療
生活改善だけで症状が十分に改善しない場合は、泌尿器科での治療が効果的です。
薬物療法
• 腹圧性尿失禁に対する保険適用薬(例:β刺激薬、エストロゲン含有薬など)
• 外用の女性ホルモン薬(膣坐薬やクリーム)で尿道の粘膜を強くする治療もあります
専用のリハビリ
• 電気刺激療法(EMS)など
*当院では高密度焦点式電磁(HI-EMS)を用いた骨盤底筋トレーニングチェアを導入予定です(自費診療)のでお気軽にスタッフにご相談ください。
手術療法(重症例)
• テープを使って尿道を支える「TVT手術」や「TOT手術」があります
• 日帰りや短期入院で行える、負担の少ない手術です
※治療の選択肢は患者さまの症状や生活スタイルに応じて決めていきます。無理なく、安心して進められるようご相談ください。
まとめ:我慢せず、相談からはじめましょう
• 腹圧性尿失禁は「くしゃみ・咳で漏れる」典型的な排尿トラブルです
• 出産や加齢による筋力低下が主な原因
• 骨盤底筋トレーニングなどセルフケアで改善可能なことも
• 泌尿器科では薬・リハビリ・手術を組み合わせて治療できます
• 「もう年だから」「出産後だから仕方ない」とあきらめず、まずは相談してみましょう
漏れない安心感があるだけで、日常生活はぐっと楽になります。
どんな小さな症状でも構いません。恥ずかしがらず、お気軽にご相談ください。
