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3月:花粉症と泌尿器科—抗アレルギー薬と排尿障害

2026.03.17
3月:花粉症と泌尿器科—抗アレルギー薬と排尿障害

春になると、暖かくなって気持ちも明るくなる一方で、多くの方を悩ませるのが「花粉症」です。目のかゆみや鼻水、くしゃみなどのつらい症状を抑えるために、抗アレルギー薬を服用される方も多いのではないでしょうか。実は、これらの薬の中には、副作用として「排尿障害」を引き起こすものがあります。特に前立腺肥大症をお持ちの方は注意が必要です。今回は、抗アレルギー薬と排尿障害の関係、そして安心して花粉症治療を続けるためのポイントをわかりやすくお伝えいたします。

花粉症の治療薬にはどんな種類があるの?

花粉症の治療には、主に以下のようなお薬が使われます。

1. 抗ヒスタミン薬(飲み薬・点鼻薬)
→ アレルギー症状の原因となるヒスタミンの働きを抑えます。

2. 抗ロイコトリエン薬(飲み薬)
→ 鼻づまりや炎症を抑える働きがあります。

3. ステロイド薬(点鼻薬)
→ 鼻の炎症を抑える強い効果があります。

このうち、特に「抗ヒスタミン薬」の一部に、排尿障害を引き起こす副作用が報告されています。

抗ヒスタミン薬と排尿障害の関係

抗ヒスタミン薬の中でも、古いタイプ(第一世代)のものは、アセチルコリンという神経伝達物質の働きをブロックする「抗コリン作用」が強いという特徴があります。この抗コリン作用が、膀胱の筋肉(排尿筋)の動きを鈍らせたり、尿道を締め付けたりして、排尿しにくくさせることがあるのです。

特に男性で前立腺肥大症がある方は、もともと尿が出にくい傾向があり、抗ヒスタミン薬の服用によって排尿障害がさらに悪化することがあります。

どんな症状に注意すればいいの?

抗アレルギー薬による排尿障害の症状は以下の通りです。

• 尿が出にくい、尿の勢いが弱い
• 残尿感(出し切った感じがしない)
• トイレに行く回数が増える
• 夜間の頻尿
• 排尿時に痛みや違和感を感じることも

もし花粉症の薬を飲み始めてからこのような症状が現れた場合は、すぐに泌尿器科を受診しましょう。

特に注意が必要な方は?

前立腺肥大症のある方

男性に多い病気で、加齢とともに増加します。尿道を圧迫して尿が出にくくなるため、抗ヒスタミン薬の影響を受けやすいです。

神経因性膀胱の方

糖尿病や脳血管障害、脊髄疾患などで神経の働きが弱くなっている方は、抗ヒスタミン薬で排尿障害が悪化するリスクがあります。

高齢者

年齢とともに膀胱や尿道の機能が低下するため、薬の影響が出やすいです。

どの抗ヒスタミン薬が安全?

最近の抗ヒスタミン薬(第二世代)は、第一世代に比べて抗コリン作用が少ないため、比較的安全に使えると言われています。例えば、フェキソフェナジン(アレグラ®)、ロラタジン(クラリチン®)、セチリジン(ジルテック®)などが該当します。ただし、個人差がありますので、必ず主治医に相談してから使用しましょう。

花粉症と排尿障害を両立させるためのポイント

1. 自己判断で市販薬を選ばない

市販の花粉症薬の中には、第一世代抗ヒスタミン薬が含まれているものもあります。尿が出にくい方は必ず医師に相談しましょう。

2. 泌尿器科医と耳鼻科医で情報共有を

前立腺肥大症や排尿障害がある場合は、泌尿器科の主治医に相談し、耳鼻科の医師とも連携を取ってもらうと安心です。

3. 生活習慣の見直し

水分をしっかりとり、トイレを我慢しないことが大切です。また、排尿後に残尿感がある場合は無理にいきまず、ゆっくりと排尿するように心がけましょう。

まとめ

まとめ

春先の花粉症治療に欠かせない抗アレルギー薬ですが、副作用として排尿障害を引き起こす場合があります。特に前立腺肥大症や神経因性膀胱がある方は要注意です。症状が気になる場合は、自己判断で薬を中止せず、必ず泌尿器科専門医に相談してください。

当院では、花粉症シーズンの排尿トラブルについても、泌尿器科専門医が丁寧に診療を行っております。気になる症状があれば、どうぞお気軽にご相談ください。

院長 鵜木 勉

執筆者

いんざい腎泌尿器科クリニック
院長 鵜木 勉

専門資格

  • 医学博士
  • 日本泌尿器科学会 泌尿器科専門医
  • 日本泌尿器科学会 泌尿器科指導医

など

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