執筆者
いんざい腎泌尿器科クリニック
院長 鵜木 勉
専門資格
- 医学博士
- 日本泌尿器科学会 泌尿器科専門医
- 日本泌尿器科学会 泌尿器科指導医
など
慢性前立腺炎は、前立腺に炎症が持続的に生じる病気で、20〜50代の男性に多く見られます。症状は多岐にわたり、排尿時の違和感や下腹部の痛み、会陰部の不快感などが挙げられます。症状が長期間続くことが多く、生活の質を低下させることもあります。
慢性前立腺炎の原因は明確には解明されていませんが、以下の要因が関与していると考えられています
| 細菌感染 | 尿道から侵入した細菌が前立腺に感染することがあります。 |
|---|---|
| 骨盤内の血流障害 | 長時間の座位や運動不足により、骨盤内の血流が滞ることがあります。 |
| ストレスや精神的要因 | 精神的なストレスが症状を悪化させることがあります。 |
| 神経過敏 | 神経の過敏性が症状に関与している場合があります。 |
慢性前立腺炎の主な症状は以下の通りです
| 排尿時の痛みや違和感 | 尿道に灼熱感や刺すような痛みを感じることがあります。 |
|---|---|
| 頻尿や残尿感 | 尿意が頻繁に起こり、排尿後もすっきりしない感じがあります。 |
| 会陰部や下腹部の痛み | 肛門と陰嚢の間や下腹部に鈍い痛みや不快感があります。 |
これらの症状は慢性的に続くことが多く、日常生活に支障をきたすこともあります。
慢性前立腺炎の診断には、以下の検査が行われます
| 問診 | 症状の詳細や持続期間、生活習慣などを確認します。 |
|---|---|
| 直腸診 | 肛門から指を挿入し、前立腺の大きさや硬さ、圧痛の有無を確認します。 |
| 尿検査 | 尿中の白血球や細菌の有無を調べます。 |
| 超音波検査 | 前立腺の大きさや形状、残尿量などを評価します。 |
これらの検査結果を総合的に判断し、慢性前立腺炎の診断が確定されます。
慢性前立腺炎の治療は、症状や原因に応じて個別に行われます。主な治療法は以下の通りです
| 抗菌薬 | 細菌感染が疑われる場合、抗菌薬が処方されます。 |
|---|---|
| α1遮断薬 | 排尿障害の改善を目的に使用されます。 |
| 消炎鎮痛薬 | 痛みや炎症を抑えるために使用されます。 |
| 植物製剤(セルニルトンなど) | 前立腺の炎症を抑える効果があります。 |
| 抗うつ薬や抗不安薬 | 神経性の痛みや不安を軽減するために使用されることがあります。 |
| 適度な運動 | 血流を改善し、症状の緩和に役立ちます。 |
|---|---|
| 長時間の座位を避ける | 定期的に立ち上がり、体を動かすことが推奨されます。 |
| ストレスの軽減 | リラクゼーションや趣味の時間を持つことが大切です。 |
| 刺激物の摂取を控える | アルコールやカフェイン、辛い食べ物などを控えることが勧められます。 |
治療は個々の症状や原因に応じて行われるため、医師と相談しながら最適な方法を選択することが重要です。
慢性前立腺炎は、さまざまな症状が長期間続くことが特徴の病気です。原因や症状は個人差があり、治療も多岐にわたります。早期の診断と適切な治療、そして生活習慣の見直しが症状の改善につながります。症状に悩んでいる方は、自己判断せずに専門医を受診することをおすすめします。