執筆者
いんざい腎泌尿器科クリニック
院長 鵜木 勉
専門資格
- 医学博士
- 日本泌尿器科学会 泌尿器科専門医
- 日本泌尿器科学会 泌尿器科指導医
など
淋菌感染症は、性感染症の中でも頻度が高く、特に若年層を中心に増加傾向にあります。症状が現れにくいこともあり、知らず知らずのうちに感染が広がることもあります。本記事では、淋菌感染症の原因、症状、診断、治療、予防法について、わかりやすくご説明いたします。
淋菌感染症は、Neisseria gonorrhoeaという細菌によって引き起こされます。この菌は、性行為(膣性交、オーラルセックス、アナルセックス)を通じて感染します。感染部位は性器だけでなく、咽頭や直腸にも及ぶことがあります。
女性も無症状であることが多く、感染が進行すると骨盤内炎症性疾患(PID)を引き起こし、不妊症の原因となることがあります。
淋菌感染症の診断には、以下の検査が行われます。
| 核酸増幅法 | 尿や分泌物から淋菌のDNAやRNAを検出する検査で、高い感度と特異度を持ちます。 |
|---|---|
| 培養検査 | 淋菌を培養して確認する方法です。 |
淋菌感染症は、抗菌薬による治療が可能です。しかし、近年、淋菌の薬剤耐性が問題となっており、治療には注意が必要です。
セフトリアキソン(注射)
クラミジア感染症の併発が多いため、アジスロマイシン(内服)との併用が推奨されることがあります。
治療後は、症状がなくなっても自己判断で薬の服用を中止せず、医師の指示に従ってください。また、治療後2〜3週間後に再検査を行い、治癒を確認することが推奨されます。
淋菌感染症は、パートナー間で再感染を繰り返す「ピンポン感染」が起こりやすいため、感染が確認された場合は、パートナーも同時に検査・治療を受けることが重要です。また、治療が完了し、再検査で陰性が確認されるまでは性行為を控えるようにしましょう。
淋菌感染症の予防には、以下の点に注意が必要です。
| コンドームの正しい使用 | 性行為の際には、コンドームを正しく使用することで感染リスクを減らすことができます。 |
|---|---|
| 定期的な検査 | 特に複数のパートナーがいる場合や新しいパートナーとの性行為の前には、定期的な性感染症の検査を受けることが推奨されます。 |
| パートナーとのコミュニケーション | 性感染症についてオープンに話し合い、互いの健康を守ることが大切です。 |
淋菌感染症は、症状が軽微または無症状であることが多く、感染に気づかずに放置されることがあります。しかし、放置すると不妊症やその他の合併症を引き起こす可能性があるため、早期の発見と治療が重要です。感染が疑われる場合や心配な場合は、早めに専門医を受診し、適切な検査と治療を受けましょう。
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