血尿

血尿って何ですか?

血尿とは、その名の通り「尿に血(赤血球)が混ざっている状態」です。尿を見て赤やピンク色に見える“肉眼的血尿”と、尿検査(尿潜血試験紙や尿沈渣)で検出される“顕微鏡的血尿”があります。

なぜ血尿が出るの?

血尿には、原因となる部位や疾患に応じて大きく2タイプあります。

糸球体性血尿 (腎臓のろ過装置である糸球体が原因)
尿路性血尿 (腎臓以降の尿路、尿管、膀胱、尿道などに起因)

診断は、まず尿沈渣を顕微鏡で調べ、赤血球の形(正常な球形か、変形しているか)、赤血球円柱の有無などを観察することで判別します

血尿のタイプとその特徴

糸球体性血尿

  • 赤血球が変形していたり、赤血球円柱が認められます。
  • 原因:IgA腎症、急性糸球体腎炎、膜性増殖性腎炎、
    Alport症候群など。二次性にはループス腎炎やANCA関連血管炎なども含まれます。
  • 特徴:蛋白尿や血清補体の低下などを伴うこともあり、腎臓内科医との連携が重要です。

尿路性血尿(非糸球体性血尿)

  • 赤血球が球形で、円柱や変形がなければこちらの可能性が高いです。原因は「尿路」にあります。
  • 主な疾患:腎・尿管結石、膀胱炎・腎盂腎炎、前立腺炎、尿路腫瘍(膀胱がんなど)。
  • 特に尿路性では、泌尿器科の専門検査(膀胱鏡、CT、尿細胞診など)が必要になるケースがあります。

診断の流れ(血尿が出たらどうする?)

step01

スクリーニング(尿検査)

健康診断の尿潜血反応で陽性が出た場合、まずは検査紙の結果と尿沈渣検査を併用します。

尿試験紙 ヘモグロビン換算で約0.06mg/dL、赤血球で10~20個/µL程度で陽性となることが多いです。
尿沈渣 新鮮尿を遠心分離し、400倍で顕微鏡検査。本当に赤血球が混じっているか、形態を確認します。

step02

原因の分け方

尿沈渣によって糸球体性か尿路性か判断し、次のステップへ進みます。

糸球体性を疑う場合
  • 血清補体(C3, C4)、炎症マーカー(CRPなど)、腎機能(クレアチニン、尿素窒素)を測定。
  • 必要に応じて、腎臓のエコー検査や腎生検も検討します。

step03

尿路性を疑う場合

尿路の炎症や結石、腫瘍を調べるため、以下の検査が行われます

  • 腹部エコー
  • CT検査(必要に応じて)
  • 膀胱鏡検査や尿細胞診(特に腫瘍を疑う場合)

再検査と経過観察

原因が不明だったり、血尿が軽度(肉眼ではなく顕微鏡的)で症状がなければ、一定期間(例えば12ヶ月以内)経過を見ながら再度尿検査を行います。

患者さんへのポイントアドバイス

1.「再検査が大事」です

尿潜血検査で陽性が1回だけ出てもすぐに結論は出せません。何度か検査して持続性を確認することが基本です。自宅採尿のタイミングを含め、問診で運動や月経との関係も考慮します。

2.「ストレスや運動以外にも注意を」

激しい運動後や月経中は一時的に血尿が現れることがあります。心配な場合は数日開けて再検査をしてみましょう。

3.「種類に応じた医療機関へ」
  • 糸球体性が疑われる場合 → 腎臓内科
  • 尿路性が疑われる場合 → 泌尿器科
    との連携が重要です。特に腫瘍や結石、感染症の診断・除外には泌尿器科専門医の診察が不可欠です。
4.「定期的なフォローが安心につながります」

初回精査で異常が見つからなくても、12ヶ月以内にもう一度評価することで早期病変の検出につながります。

5.「生活習慣も見直すきっかけに」

高血圧、糖尿病、肥満などは腎臓や尿路に負担をかける要因です。適度な運動、バランスの取れた食事、禁煙などを心がけましょう。

院長 鵜木 勉

執筆者

いんざい腎泌尿器科クリニック
院長 鵜木 勉

専門資格

  • 医学博士
  • 日本泌尿器科学会 泌尿器科専門医
  • 日本泌尿器科学会 泌尿器科指導医

など

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