執筆者
いんざい腎泌尿器科クリニック
院長 鵜木 勉
専門資格
- 医学博士
- 日本泌尿器科学会 泌尿器科専門医
- 日本泌尿器科学会 泌尿器科指導医
など
LOH症候群(Late-Onset Hypogonadism)は、加齢に伴い男性ホルモン(テストステロン)の分泌が低下し、さまざまな身体的・精神的症状が現れる状態を指します。男性の更年期障害とも呼ばれ、中高年男性に多く見られます。本記事では、LOH症候群の原因、症状、診断、治療法について詳しく解説いたします。
LOH症候群の主な原因は、加齢に伴うテストステロンの分泌低下です。その他にも、ストレス、睡眠不足、肥満、慢性疾患(糖尿病、高血圧など)、生活習慣の乱れなどが関与するとされています。
LOH症候群の症状は多岐にわたり、以下のようなものがあります。
これらの症状が複数現れる場合、LOH症候群の可能性があります。
LOH症候群の診断は、問診、身体検査、血液検査を組み合わせて行います。
症状の有無や程度、生活習慣、既往歴などを詳しく聞き取ります。また、AMSスコア(Aging Males’ Symptomsスコア)などの質問票を用いて、症状の評価を行うことがあります。
身長、体重、BMI、血圧、体毛の状態、筋力などをチェックします。
血中のテストステロン値(総テストステロン、遊離テストステロン)を測定します。一般的に、遊離テストステロン値が低下している場合、LOH症候群と診断されることがあります。
LOH症候群の治療は、症状の程度や患者さまの希望に応じて選択されます。
バランスの良い食事、適度な運動、十分な睡眠、ストレスの軽減など、生活習慣の見直しが基本となります。これにより、テストステロンの分泌が改善されることがあります。
テストステロン値が低下しており、症状が強い場合には、ホルモン補充療法が検討されます。注射剤や貼付剤、ゲル剤などの形態があり、医師と相談の上、適切な方法を選択します。ただし、前立腺疾患や心血管疾患のある方には注意が必要です。
必要に応じて、抗うつ薬や睡眠薬、ED治療薬などが併用されることがあります。
LOH症候群は、適切な治療により症状の改善が期待できます。しかし、治療効果には個人差があり、定期的なフォローアップが重要です。また、ホルモン補充療法を行う場合は、前立腺や肝機能、血液の状態などを定期的にチェックする必要があります。
LOH症候群は、加齢に伴うテストステロンの低下により、さまざまな症状が現れる疾患です。生活習慣の改善やホルモン補充療法により、症状の改善が期待できます。中高年男性で、疲労感や性欲の低下、気分の落ち込みなどの症状がある場合は、早めに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることをおすすめします。