執筆者
いんざい腎泌尿器科クリニック
院長 鵜木 勉
専門資格
- 医学博士
- 日本泌尿器科学会 泌尿器科専門医
- 日本泌尿器科学会 泌尿器科指導医
など
梅毒は、梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)という細菌によって引き起こされる性感染症です。主に性行為を通じて感染し、進行すると全身にさまざまな症状を引き起こします。近年、日本でも感染者数が増加傾向にあり、特に若年層や妊婦への感染が問題となっています。本記事では、梅毒の原因、症状、診断、治療法、予防策について、患者さまにわかりやすくご説明いたします。
| 性行為 | 膣性交、肛門性交、オーラルセックスなど、感染者との性行為によって感染します。 |
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梅毒トレポネーマは、粘膜や皮膚の微細な傷口から体内に侵入し、全身に広がります。
梅毒は、進行段階によって症状が異なります。ただし、症状が現れない場合もあるため、注意が必要です。
| 硬性下疳(こうせいげかん) | 感染部位(性器、口唇、肛門など)に、痛みのない硬いしこりや潰瘍が現れます。 |
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| リンパ節の腫れ | 感染部位周辺のリンパ節が腫れることがあります。 |
これらの症状は、治療しなくても数週間で自然に消えることがありますが、菌は体内に残り、病気は進行します。
| 発疹 | 全身に赤い発疹が現れ、特に手のひらや足の裏に出ることが特徴的です。 |
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| 全身症状 | 発熱、倦怠感、喉の痛み、脱毛などが見られることがあります。 |
| 粘膜病変 | 口腔内や性器に潰瘍や白斑が現れることがあります。 |
第二期の症状も自然に消えることがありますが、治療しない限り菌は体内に残り続けます。
症状が現れない期間を指します。この間も血液検査では陽性反応が出るため、感染が判明することがあります。
| ゴム腫 | 皮膚や骨、内臓に腫瘤ができることがあります。 |
|---|---|
| 心血管系の障害 | 大動脈瘤や心臓弁膜症などが発生することがあります。 |
| 神経梅毒 | 中枢神経系に影響を及ぼし、認知障害や運動障害などを引き起こすことがあります。 |
梅毒の診断は、以下の方法で行われます
| 血液検査 | RPR法やTPHA法などの血清反応検査によって、梅毒トレポネーマへの感染を確認します。 |
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症状がない場合でも、定期的な検査によって感染が判明することがあります。
梅毒は、早期に適切な治療を受ければ完治が可能な病気です。主な治療法は以下の通りです。
| アモキシシリン | 500mgを1日3回、4週間服用します。 | |||
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| ペニシリン アレルギーがある場合 |
ミノサイクリン | 100mgを1日2回、4週間服用します。 | ||
| スピラマイシン | 200mgを1日6回、4週間服用します。 | |||
| ベンジルペニシリン | 筋肉注射 | 1回240万単位 | ||
※表は左右にスクロールして確認することができます。
治療中は、医師の指示に従い、薬を正しく服用することが重要です。また、治療開始後に発熱や倦怠感などの症状が現れることがあります。
梅毒の予防には、以下の対策が有効です。
| コンドームの使用 | 性行為時にコンドームを正しく使用することで、感染リスクを減らすことができます。 |
|---|---|
| 定期的な検査 | 性感染症のリスクがある場合は、定期的に検査を受けることが推奨されます。 |
| パートナーとのコミュニケーション | 性感染症についてオープンに話し合い、互いの健康を守ることが大切です。 |
梅毒は、適切な治療を受ければ完治が可能な性感染症です。しかし、症状が現れにくく、知らないうちに感染が広がることがあります。定期的な検査と予防策の実施が重要です。症状が現れた場合や心配な場合は、早めに専門医を受診し、適切な検査と治療を受けましょう。
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